育成年代の勝利主義の問題 その② 「強いチームに行くという進路選択」

小学生,中学生の選手たちを指導する立場にあると、新年度に向けての進路相談が多々あります。

大概の保護者が相談してくる内容は「強いチーム(強豪高)」に入ったほうが良いですよね?」という概念が組み込まれたものです。

 

私なりの答えですが、

「目指すものによる」

が普段から感じている日本サッカー界への感覚です。

 

私自身は高校選手権全国大会に出場する高校や関東1部リーグに所属する大学と、強いチーム(強豪高)と言われる部類で日本サッカーを経験しました。

なので、そこで出来た仲間や培えた財産を理解しているつもりです。

日本における上下関係や先輩後輩との付き合い方、気配り目配り心配り、しっかりと筋を通す大事さ、礼儀礼節、犠牲心、連帯責任感など。

ありがたいことに、目上の方々から「しっかりされていますね」とお声を頂ける事もしばしばです。

高校や大学でひとつの目標に向って競技を続けるということは、サッカーとともにそういった人間性を育んでいく部分も大きくウェイトを占めていると思います。

素晴らしいことだと思います。

そういったものをサッカーと共に習得したいのであれば、強いチーム(強豪高)に行く選択はありだと思います。

 

しかし、プロサッカー選手になる。という目的のためなら、それが全てではないと考えます。

日本でサッカーをしていると、「ここでレギュラーに成れなければ、全国大会に出場しなければ、~選抜に選ばれなければプロになんてなれない。」なんていう考え方がまだまだ当たり前にあると思います。

それに関連した身近にあった衝撃的な出来事は、「Jクラブのジュニアユース(中学生年代)に息子が受からなかったので、もうプロにはなれないからサッカーを辞めます。」と言ってきた保護者がいたことです。

本当にプロになれないのでしょうか?日本の強いチームは本当に選手をプロに育成する力があるのでしょうか?

私の友人のJクラブジュニアユース,ユース,選手権優勝,準優勝高の選手達、9割5分はプロサッカー選手にはなっていません。

プロサッカー選手になることが全てではないので、彼らの人生を否定しているのではありません。

しかし、その中で本当にプロサッカー選手になりたかった選手がいたとしたら、進路選択はどうだったのでしょうか。

 

日本代表がとか、サッカー協会がとか、そういったものではなくて、このような強いチーム(強豪高)に行かないとプロにはなれないという『思い込み文化』がもしかしたら日本サッカーの強化の一番ののびしろではないかと感じています。

私が運営する選手育成アカデミーでは、そういった「強いチーム(強豪高)出身でない選手達」がほとんどですが、次々とプロ選手としての道を歩み始めています。

それは日本の育成年代では伝えられていない「プロサッカー選手として必要なもの」を習得するからです。

私が経験した強いチーム(強豪高)で学ぶものと、「プロサッカー選手として必要な物」は決してイコールではありません。

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育成年代の勝利主義の問題 その①育成年代でのファウルの要求 「指導者はどうすべきか」

小学生中学生の指導の現場、特に試合での現場。

育成年代の笛の質は良く議題にあがるところですが、私は指導者のファウルに対しての捕らえ方も非常に気になります。

「過剰なファウルの要求」

もちろん悪質なファウルなどで、選手の大怪我につながりそうな危険な場面などでの突発的なリアクションは別物として。

選手が倒れるや否や審判に対してファウルを要求する場面に言及しています。

果たしてその要求はなぜ起きてしまうのか?

勝ちたいからでしょう。チームの勝利に向けて、優位に試合を運びたいからでしょう。

その行為は本当に選手の未来に、選手が良い選手になっていくために必要な要求なのでしょうか。

そのような場面を見ているとよく感じるのは、

「選手の判断ミスで激しいプレスを受ける場面であったり、身体の使い方が不十分で相手の力を抑え込めていなかったり、そもそも出し手の選択肢のミスであったり・・・。」

相手ではなくファウルを受けた選手にのびしろがあるということです。

選手側の「ファウルを受けてしまうプレー」に対しての伸びしろを伝えてあげられる絶好の指導のチャンスを、「勝利主義」のあまり逃してしまっているのではないでしょうか。

良い選手になるための気づきが、勝つためだからスルーされていく・・・

     

小さなことかもしれませんが、日本全国の育成指導の現場で、ファウルの捉え方が変われれば、『球際の弱さ』という日本代表でよく言われるナゾの課題も、解消されていくのではないでしょうか。

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プロフェッショナルとしての自覚

プロ選手は個人事業主。自分という会社を売り込み、評価を受けたクラブと契約を結ぶ。

「対等」に。

どうしてもこの「対等」にという部分を自覚しきれないで、プロフェッショナルのファーストステップを踏み始めてしまう選手が多い。

初めての契約は給与が発生する契約内容で御の字かもしれない、ただそこから先のキャリアは「自分という会社」の宣伝内容そのものになっていく。

アマチュアの時代から、物品を支給されたり、部費を免除してもらったり、ご飯をご馳走になったりと、何かと「融資」をしてもらう機会はあるはず。

しかし、プロフェッショナルの意識を持ちきれない選手達は、「感謝の言葉を述べて」終わりにしてしまう。

日本人として、感謝の言葉や誠意を見せることはとても大事なこと。

しかし、自分がプロフェッショナルとしてやっていくつもりであれば、それに見合った「還元」をする意識は持っておくべき。

そうでないと、「対等」に契約を結べる立場までは行き着けないだろう。

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日本はプロになるための育成をしているのか?

アカデミーには下は中学卒業後の15歳、上は一度就職した経験の有る20代後半の選手達が入会をしてきます。

15歳から20代後半の選手に共通していえることは、のびしろがものすごくあることです。

フィジカル的な部分や、単純な止める蹴るの能力には経験によって差はありますが、『サッカーの上手さ』という部分に関してののびしろはどんなに歳をとっていようが、国内での輝かしい成績を残していようが、大差がありません。

そこで常々思うことは、「日本の育成ってどうなっているんだろう?そもそも育成しているのかな?」ということです。

カテゴリーとしては年代別に区分けはされていますが、全てのカテゴリーで『プロを目指した育成』が行われているのか?となると、そうではない気がします。

高校選手権などが代表格ですが、育成年代の大会があれだけ盛り上がってしまうのも、ひとつの象徴かもしれません。(私も高校選手権出場者なので、大会自体を問題視しているわけではありません。あくまでも日本のプロサッカー選手を育成するという観点からの問題提起です。)

その証拠に、アカデミーで輩出してきた多くの契約選手達は、国内ではふるいにかけられてしまった「落ちこぼれ選手」達です。

各年代別カテゴリーでレギュラーでなかったり、公式戦すら出られなかったり、そんな選手達がアカデミーに来て「本来育成指導で伝えること」を伝えるだけで、クラブと契約を結ぶ選手になるんです。

 

私自身が高校では選手権出場、大学は関東1部リーグ所属、ブラジルでの育成を現地で見てきた経験を素に考えると、

日本の育成と世界の育成は少し違うベクトルを進んでいっている気がします。

日本での育成年代で現在行われている指導や人間形成を批判しているのではなく、それとはまた違う「プロサッカー選手を育成する」という確立されたベクトルも必要なのではないかなと感じるのです。

 

わがアカデミーがそういった育成のパイオニアとなれるよう、こういった発信にももっと影響力が出てくるように、これからも精進していきたいものですね。

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海外トライアウトにいくまえに

今から15年ほど前、私がまだ現役だったころ、海外でサッカーをするといったら「ブラジル」くらいしか出てこないような時代でした。

しかも今のようにプロになるためにトライアウトを受けるなんてものではなく、『留学』としてサッカーを学びに行く感覚が強かったです。

しかし昨今では、東南アジア,ヨーロッパ,オセアニア,南米と、海外リーグでプロとして活躍するためのトライという選択肢が一般的になってきています。

間口が広がり、多くの日本人選手がその世界を開拓してきたことは、これからの日本人選手の可能性を広げる大きなチャンスになっていますが、それと同時に、その塀の低さが「部活やクラブの延長」のように身近になりすぎてしまっている感が否めません。

プロ選手=社会人(仕事)

この方程式を理解せずにテスト(セレクション感覚)に合格してしまえば、晴れてプロ選手。

ですが、この仕事をどう発展させていくか?までしっかり考えられているでしょうか。

社会人として、仕事を成功させていくビジョンを持たないと海外下部リーグで契約できた後、行くチームが無くて現役引退なんて末路をたどるのもよく聞く話です。

 

プロになるのは良いけれど、プロ選手として人生を生きていく準備が出来ているか。

サッカー選手として成長し続けるための準備。

仕事を成功させていく社会人としての準備。

個人事業主として自分を発展させていく準備。

部活やクラブのように、プロクラブは自分を育てようとはしてくれません。実力が認められなければクビです。

プロになる前に自分が成長し続けていくための準備をしておいたほうが良いと考えます。

そう思うからこそ、アカデミーを設立したんですけどね。

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年末になりアカデミーを振り返る

年末になると、アカデミーから飛び立った選手達がシーズンオフになって帰ってきてくれます。

自身のアップグレードのためにトレーニングをもう一度振り返り復習する。良いリズム。

ふと気づいたらアカデミーから輩出した選手は6大陸を制覇していて、少し充足感を感じられました。

こうやって色々な経験をつんだ選手達が帰ってくる場所になり、目指す選手たちに大きな刺激を与えつつ、自身のレベルアップも忘れずにトレーニングに励む。良いリズム。

こんな良いスパイラルがもっともっと大きく濃くなるように、これからも精進していきたいと思えた年末でした。

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かけひきがあるトレーニング

いつ裏を取るのか

どこで裏を取るのか

どうやって裏を取るのか

そのようなかけひきが存在するトレーニングでないとサッカーは上達しない。

どんなに止める蹴るが上手くても、どんなにフィジカルを鍛えようとも、

使いどころを知っていなければ宝の持ち腐れ。

 

サッカーのトレーニングをしなくては・・・。

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アカデミー発で海外契約する選手の特徴

アカデミーからトライアルに飛び立って、契約できる選手の傾向が分かってきました。

『人に教える立場になった選手』

アカデミーのトレーニングは種類やルールが変わっても、基本はアカデミー哲学にのっとっているので、1年間通して大きくテーマは変わりません。

そんなアカデミーのトレーニングで伝えている要素を、新規加入選手や古株で上手くいっていない選手に自分から『教える』事ができていく選手から契約が決まっていきます。

ラーニングピラミッドでもあるように、人に伝えられるほど理解度が高まっている証拠なんでしょう。

面白い。

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サッカーの本質

私がブラジルでのサッカー研修の際に衝撃を受けたこと。

「お前は相手の前でどうしてそんなに頑張ってプレーしているんだ?」

といわれたこと。

サッカーのかけひきの下手さ加減を痛感した一幕だった。

「サッカーで本気(結果)を出すのは相手の裏だろ?相手の前で必死にボールをこねくり回したって、点は取れないよ」

ここからこの先のわたしのサッカー人生が大きく変わっていくことになった。

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アスリートフードマイスター&スポーツ薬剤師 曽根 氏による「食」セミナー!!

本日はアスリードフードマイスター&スポーツ薬剤師である

曽根 由佳里 氏による

『プロサッカー選手にふさわしい食』

についてのセミナーが開催されました。 第一回目となった今回のテーマは『アスリートにとっての食事とは』 食に関しての知識や情報は現代には溢れかえっていますが、その情報をプロサッカー選手として活かせているか?といったらそうでない選手がほとんどです。

また、それと同じように、食が自身の競技レベルを向上させていく伸びしろだと捉えられているプロを目指す立場のアスリートも少ないと思います。

アカデミー生の感覚も、「気を遣えたらいいんだろうなぁ・・・」というような認識レベルだと思います。 本日はまずその認識レベルを変えるところから始まった内容でした。

食事で自分がどう向上するのか?

食事でどれだけのプロアスリートたちが変貌を遂げたのか?

自分の生活でどれだけ食を変えることができるのか?

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